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書評

その組織は誰を幸せにするのか?「JOY, INC.(ジョイ・インク) 役職も部署もない全員主役のマネジメント」リチャード・シェリダン(著)

2017/09/20

その会社は誰を幸せにするのか?

今、世の中の会社には様々な問題があります。長時間労働、官僚主義、ブラック企業やサービス残業など、労働に関する問題は後を絶ちません。

最近は、日本では「働き方革命」など取りざたされています。

米国で最も幸せな職場と言われるメンロー・イノベーションズ社は「働く喜びの追求」を経営の柱にし、このような問題を解決していきました。その会社のCEOであるリチャード・シェリダンが書いた1冊がこの本です。

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目次

推薦者まえがき(玉川 憲)
イントロダクション
1章 僕が喜び(Joy)にたどり着くまで
2章 スペースとノイズ
3章 自由に学ぶ
4章 会話・儀式・道具
5章 インタビュー・採用・立ち上げ
6章 観察のもつ力
7章 恐怖と戦い、変化を抱擁する
8章 ボスではなくリーダーを育てる
9章 カオスを終わらせ、曖昧さをなくす
10章 厳密、規律、品質
11章 持続可能性と柔軟性
12章 スケーラビリティ
13章 説明責任と結果
14章 アライメントー向きを揃える
15章 問題
16章 まとめ――喜びのなかへ
エピローグ――ひらめき
お勧めの先生たち
推薦者あとがき(川鍋 一朗)
本書に寄せて(ケリー・パターソン)

アジャイルカンファレンスおすすめの一冊

実は、この本はアジャイル開発に関するカンファレンスで紹介された1冊です。アジャイル開発とは、数年前からIT業界で注目されている開発手法です。従来のウォーターフォールでは実現できないよりユーザ目線の品質の高い開発を実現できるとして多くの勉強会はカンファレンスが行われています。

このメンロー・イノベーションズ社では、そんなウォーターフォール型の開発手法を取り入れ、より働きやすい職場作りを行っています。

【手法の一例】
・階層がない組織: 上司が存在しない
・ペアでコンピュータを共有: 常に二人一組で作業を行う
・ショウ&テル: 二週間ごとに進捗と状況を報告する顧客との合同イベント
・デイリースタンドアップミーティング: 毎朝10時の全員参加の民主的会議
・地下駐輪場を使った仕切りのないオフィスでワイワイガヤガヤ働く
・仕事内容や進行、給料までオープンにして、信頼を生む

相談はいらない、素早く失敗しろ

特に印象的だったのが、何かに挑戦したい時に上司に相談することなく個人の判断で新しいことに挑戦できる仕組み。この会社では、「どんどん挑戦して、早いうちに失敗しろ」と教えている。しかも、いいアイデアについては、それぞれにインセンティブをつける仕組みもある。

この例は1例に過ぎないが、本書ではCEOであるリッチの様々な取り組みが詳しく書かれている。

まとめ

この本では、CEOの取り組みが色々と紹介してあるのに加え、システム開発者にお得な情報がたくさん紹介されている。また、アジャイル開発に関する本は色々と出ているが最初の一冊に読むのであればこの本はとてもおすすめの一冊です。

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